試験直前! 腎臓病療養指導士なるにはガイド2020 ①

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おすぎ

腎臓病療養指導士の認定試験が2月7日に予定されています。ピーコは今回受験するので、いま頑張って勉強している……ハズ(そのせいでブログ更新が滞っている!?)
私は昨年度取得しました。その経験を踏まえて、主に調剤薬局の薬剤師向けに、腎臓病療養指導士の役割と取得方法を紹介しようと思います!

腎臓病療養指導士の位置づけ

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そもそも腎臓病療養指導士とは何者でしょうか?
腎臓病療養指導士は、日本腎臓学会・日本腎不全看護学会・日本栄養士会・日本腎臓病薬物療法学会によって共同で創設され、2018年4月より認定開始されました。他の療養指導士(例えば日本糖尿病療養指導士)と同様に、コメディカルを対象とした職種横断的な資格です。具体的には保健師・看護師、管理栄養士、そして薬剤師の3職種が取得可能です。認定は日本腎臓病協会が実施しています。

日本腎臓病協会『案内用スライド療養士PDF版』より
https://j-ka.or.jp/educator/img/edu-slide190612.pdf
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いわゆる“認定”に興味を持っている薬剤師なら、既存の資格との関連が気になるでしょう。
従来より、日本腎臓病薬物療法学会が腎臓病薬物療法認定薬剤師を認定しています。日本腎臓病協会は、腎臓病療養指導士を“各領域の専門資格に共通するプラットフォーム”と位置づけています。ただし、いずれの専門資格も腎臓病療養指導士を要件としないので、制度上の関連はあまりありません。ですから、腎臓病療養指導士を取得していなくても、腎臓病薬物療法認定薬剤師は取得可能です。

腎臓病療養指導士の役割

厚生労働省腎疾患対策検討会『腎疾患対策検討会報告書 ~腎疾患対策の更なる推進を目指して~』より(一部改変)
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000332759.pdf
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厚生労働省が2018年7月に策定した『腎疾患対策検討会報告書 ~腎疾患対策の更なる推進を目指して~』のなかで、腎臓病療養指導士の育成が政策目標として提言されています。ちょっとキャッチーな言い方をすれば、“国を挙げて育成を進めている、いま注目の医療系資格”でしょう。新設されたばかりなので知名度・信頼性に乏しいですが、政策の存在を知れば取得したくなる資格ではないでしょうか?

日本透析医学会『わが国の慢性透析療法の現況(2019年12月31日現在)』より
https://docs.jsdt.or.jp/overview/file/2019/pdf/2019all.pdf
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国が『腎疾患対策検討会報告書 ~腎疾患対策の更なる推進を目指して~』を策定した背景には、慢性透析患者数の増加という医療問題があります。
日本透析医学会が集計している年次資料『わが国の慢性透析療法の現況』によれば、2019年末時点での慢性透析患者数は34万4640人でした。有病率は人口100万人あたり2731.6人(すなわち0.27%)です。
慢性透析患者1人あたり、血液透析は毎月40万円、腹膜透析は毎月30~50万円ほどかかります。これは国民医療費の約4%に相当します。有病率と比べれば明らかなとおり、透析医療は高コストという側面があります。
ですから『腎疾患対策検討会報告書 ~腎疾患対策の更なる推進を目指して~』のなかでは、2028年までに、年間新規透析導入患者数を3万5000人以下に減少させることが政策目標とされています。なお、2019年の新規透析導入患者数は4万885人でした。
腎臓病療養指導士も、新規透析導入患者数の減少に貢献することが期待されています。それゆえ、指導対象となる患者さんは、透析導入に至っていないCKD(保存期CKD)に限定されています。

日本腎臓病協会が例示する腎臓病療養指導士の役割
  1. CKDの意義、CKDに関する基本的な知識と対策、およびCKDの予防について理解・習熟している。
  2. ステージに応じた保存期CKD患者への基本的管理方法を理解し、個別のCKD患者に対してステージに応じた包括的かつ基本的な療養指導(生活指導、栄養指導、服薬指導)を行うことができる。
  3. CKDに関して腎臓専門医や他の医療従事者と円滑な連携がとれ、チーム医療に参加することができる。
  4. 腎代替療法についての基本的知識を有し、3つの療法選択(血液透析、腹膜透析、腎移植)に関する説明を行うことができる。
  5. AKIの基本的知識を持ち、その予防策について指導することができる。
  6. 自らの指導技術を高める活動を継続する。
  7. 後進の指導を行い、腎臓病療養指導士の育成に努める。
  8. CKDの啓発活動に努める。
  9. 地域の行政機構、医師会などと連携してCKD対策を推進する。
  10. 腎臓病療養指導活動の普及に努める。
  11. CKDの臨床研究への参加に努める。
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腎臓病療養指導士の具体的な役割は、日本腎臓病協会によって11項目例示されています。メインは上記の1~5です。職種横断的な資格であり、なおかつ各領域の専門資格に共通するプラットフォームであることから、たとえ薬剤師であっても生活指導・食事指導の素養が要求されます。保存期CKDの患者さんに対して他職種がどのようにアプローチしているのか――それを理解できるようになったことは、私が腎臓病療養指導士を取得して最も役立ったメリットです。

腎臓病療養指導士の要件

日本腎臓病協会『腎臓病療養指導士認定試験応募要件フロー図』より
https://j-ka.or.jp/educator/img/jinzo-shidoshi-nintei-flow.pdf
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腎臓病療養指導士を取得するためには、①実務経験、②講習会、③研修、④認定試験の4要件をクリアする必要があります。日本腎臓病協会が公表している『腎臓病療養指導士認定試験の応募要件』に詳述されていますが、これが非常にわかりにくい(苦笑) また、他の療養指導士とは異なる独特の要件が課されており、わかりにくさに拍車をかけています。以下に一つずつ解説していきます。

①実務経験

腎臓病療養指導士を取得するための実務経験
  1. 看護師・保健師、 管理栄養士、薬剤師いずれかの免許を有し、応募時に免許取得後3年以上経過していること。
  2. 過去10年以内に通算2年以上、かつ通算1000時間以上、保存期CKD患者の療養指導業務に従事していること。実務経験を満たさない者は、症例研修e-learningによる実務経験代替研修をもって、これに代えることができる。
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“免許取得後3年以上経過していること”に例外規定はありません。1~3年目の薬剤師は、その時期が来るまで実務経験を積みながら待ちましょう。
“過去10年以内に通算2年以上、かつ通算1000時間以上、保存期CKD患者の療養指導業務に従事していること”は、他の療養指導士でも同様の要件が課されており、ハードルは高くも低くもありません。
この実務経験は『腎臓病療養指導業務活動証明書』の提出をもって証明します。例えば日本糖尿病療養指導士では、1000時間の内訳を記入する必要がありますが、腎臓病療養指導士では不要です。なお、この証明書には、私が提出する際に困った箇所がいくつかあります。

日本腎臓病協会『実務経験を証明する書類』より(一部改変)
https://j-ka.or.jp/educator/img/dl-syomei.pdf
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一つ目は“腎臓病療養指導士創設に関する合同委員会”という部分。「腎臓病療養指導士創設に関する合同委員会」とは、腎臓病療養指導士を創設した日本腎臓学会の準備組織です。現在は日本腎臓病協会の「腎臓病療養指導士に関する合同委員会」に改組されています。現存しない組織宛の証明書はありえず、協会側の不備でしょう。
二つ目は“施設長の氏名(役職)”という部分。施設長が誰に当たるのでしょうか? 病院薬剤師であれば病院長だろうと思い、実際に私は病院長の記名・押印を頂きました。ところが、後日聞いたところによれば、腎臓内科の医長名で提出しても合格したようです。“施設”を病院と解釈するか、科と解釈するかの違いですが、病院長よりも親しみやすい腎臓内科の医長のほうが、ハンコを頂きやすいですね(笑)
三つ目が“保存期腎臓病患者”という部分。『腎臓病療養指導士認定試験の応募要件』には単に「腎臓病患者」としか記載されておらず、「透析期腎臓病患者」が明確に除外されていません。要件と証明書の記載が齟齬をきたしています。ただし、後述の研修では保存期CKDが対象となっていること、そして、腎臓病療養指導士が保存期CKDの指導に限定されていることを考慮すると、要件も「保存期腎臓病患者」と読み取るべきでしょう。

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実務経験には例外規定があります。それが「症例研修e-learningによる実務経験代替研修」です。これに受かれば“過去10年以内に通算2年以上、かつ通算1000時間以上、保存期CKD患者の療養指導業務に従事していること”を満たさなくてもOKです!
通常、薬剤師が実務経験を満たそうとすれば、腎臓内科のある病院に2年以上勤務しなければなりません。しかし、実務経験代替研修を受ければ、薬局薬剤師にも取得の道が開かれます。
上記ウェブサイトに公開されている7症例から1症例を選択し、その指導動画を視聴したレポートを提出します。1症例につき指導動画が4本(腎臓内科医・看護師・管理栄養士・薬剤師の各1本)あるので、計4枚のレポートを提出することになります。なお、研修料は1万円で、代替研修の申込み後、所定のレポート用紙が送られてきます。

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試しに私も「症例(ケース)1 佐藤一郎さん(57歳男性)初診時」の指導動画を視聴してみました。そして不可解な点を見つけました。
それがeGFRという、保存期CKD療養にとって極めて重要な値です。指導動画では、eGFRは70.4mL/min/1.73m2(看護師、薬剤師)または70.4mL/min(腎臓内科医、管理栄養士)と表示されています。症例の佐藤一郎さんは、“57歳”“男性”“身長165cm”“体重75kg”“血清Cr0.93mg/dL”という設定なので、このデータを日本腎臓学会のeGFR推算式に代入してみると――65.8mL/min/1.73m2または69.4mL/minと算出されます。いずれにせよ指導動画の値とは違います。eGFRは所定のレポート用紙に記入欄があるので、この相違点は看過できません。協会側はどのように採点しているのでしょうか!?(わかる方は是非コメントください)

②講習会

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日本腎臓病協会が開催する「腎臓病療養指導士認定のための講習会」を受講しなければなりません。他の療養指導士とは異なり、講習や学会に参加して単位をコツコツ集める必要はなく、たった1日の受講で済みます。受講料は、テキスト代込みで1万円です。
原則的に年1回開催されますが、2017~2019年度は応募者多数のため、複数回開催されました。例年、会場は東京都千代田区の御茶ノ水駅前にある東京医科歯科大学で、定員は400人です。会場で『腎臓病療養指導士認定のための講習会 参加証明書』が発行されます。認定試験の応募時にそのコピーを提出しなければいけないので、大切に保管しておきましょう。5年間有効です。

第6回腎臓病療養指導士認定のための講習会
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私が参加した2019年3月のプログラムです。会場では、スライドを編集したテキストが配付され、講師がそれにのっとって解説していきます。日本腎臓病協会のウェブサイトに、講習会の模様を収録した動画が公開されていました。現在は直リンクが削除されていますが、ページ自体は生きているので、上記にURLを貼っておきます。テキストと講義の内容は動画を視聴すれば把握できます。会場でも感じましたが、講師の口調がみんな速い……(苦笑)
なお、今年度は新型コロナウイルス感染症流行の影響で、東京医科歯科大学での講習会は中止されました。代替措置としてオンラインで開催されたようです。オンラインは今年度限りの特例と触れ込まれていますが、地方在住者にとって東京会場はディスアドバンテージでしょう。来年度以降はオンラインになるのでは?と私は期待しています。

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