持参薬のデノタスは中止してよいか? ①

ピーコの質問

<strong><span class="has-inline-color has-pink-color">ピーコ</span></strong>
ピーコ

循環器内科の患者さんが持参薬のデノタスを継続してるんだけど、かかりつけ医でプラリアがいつ注射されてるのかわからない。血清カルシウムをモニターしてればよいのかな?? 今日、血清補正カルシウムが10mg/dLだったんだけどー😟

デノスマブの作用機序

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ピーコ

さっそく“プラリア 作用機序”でググってみました☆彡
デノスマブはRANKLを標的とするヒト型モノクローナル抗体……え~っと、ごめんなさい。RANKLって何だっけ??
第一三共さんによると“RANKL(骨芽細胞に発現)はRANK(破骨細胞に発現)を刺激し、破骨細胞の形成、機能及び生存を調節する骨吸収に必須のメディエーター”なんですって! 骨粗鬆症の患者さんはRANKLの発現が増加してるから、RANKLを阻害することで、過剰になってる骨吸収が抑制されるって理解でいいのかな🙄

第一三共『Medical Library』「よくある質問(Q&A):骨粗鬆症の発症メカニズムとプラリアの作用機序について教えてください。」より
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/pralia/faq/details/?f_id=399

低カルシウム血症の診断

<strong><span class="has-inline-color has-pink-color">ピーコ</span></strong>
ピーコ

血清カルシウム値8.5mg/dL未満が低カルシウム血症と診断されます☆彡
血液中のカルシウムには「イオン化カルシウム」と、血清蛋白質に結合して存在する「結合カルシウム」があり、血液検査では総カルシウム濃度を測定しています。低アルブミン血症の患者さんは結合カルシウム濃度が低下するため、イオン化カルシウム濃度が正常でも見かけ上カルシウム濃度が低くなってしまいます。そこで、血清アルブミン値が4.0mg/dL以下の場合は「Payneの式」を使って補正値を算出します。 

Payneの式

血清補正カルシウム値(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)+4-血清アルブミン値(g/dL)

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ピーコ

高齢の患者さんだと低アルブミン血症は多いので、結構よく計算しますよね~。

高カルシウム血症の診断

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ピーコ

血清カルシウムの基準値は一般的に8.5~10.5mg/dLなので、10.5mg/dL以上が高カルシウム血症という認識で良いと思います。
もちろんグーグル先生に聞きました☆彡 以下のサイトでは、10.3mg/dL以上で高カルシウム血症と記載されていました。

<strong><span class="has-inline-color has-pink-color">ピーコ</span></strong>
ピーコ

血清カルシウム値が12mg/dL以下の軽症例ではほとんど症状がなく、14mg/dL前後になると中枢神経障害・多尿・脱水の症状が出てくる……らしいです。癌患者さんで“せん妄か?”って思ったら、“カルシウムが高かった!”ってことがたまにありませんか?

おすぎの回答

<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

RANKL阻害剤をいつ打ってるかわからないなら、まずはお薬手帳を見たり、患者さんに聴いてみよう! 処方医療機関や調剤薬局がわかるなら、電話で問い合わせてみればいい。
私は、デノタスを持参した患者さんには必ずランマーク・プラリア投与の有無を聴取してる。お薬手帳にプラリアの『患者用投薬時期お知らせカード』を貼ってる患者さんも多い。
そういう薬歴把握の努力をしないで、検査値だけフォローしようって姿勢はよくない。薬剤師はミニ医者じゃないのだから、デノタスを投与すべき状況なのか確認すべき。主科と関係しないのなら、なおさら薬剤師の果たす役割は大きい。

デノタスはRANKL阻害剤による低カルシウム血症を抑制する

安全性速報『ランマーク®皮下注120mgによる重篤な低カルシウム血症について」より
https://www.pmda.go.jp/files/000148439.pdf
<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

RANKL阻害剤による低カルシウム血症と言えば、2012年にランマークのブルーレターが発出されたことを覚えてる。調べてみたら、ブルーレター発出によって添付文書に“本剤による重篤な低カルシウム血症の発現を軽減するため、血清補正カルシウム値が高値でない限り、毎日少なくともカルシウムとして500mg及び天然型ビタミンDとして400IUの投与を行うこと”と追記された。でも当時、天然型ビタミンD製剤が薬価収載されてなくて、OTCの新カルシチュウD3がMRから案内されてたらしい(私には記憶がない)

<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

新カルシチュウD3の組成は、1日量に沈降炭酸カルシウム1525mg(カルシウムとして610mg)、炭酸マグネシウム118.4mg(マグネシウムとして30mg)、コレカルシフェロール400IU。これはデノタスの組成と完全に一致する! つまり、デノタスの正体は新カルシチュウD3そのもの。

第一三共『プラリアの適正使用について(低カルシウム血症、顎骨壊死)』より
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/pralia/safety/pdf/PRL7RM01.pdf
<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

RMP資材の『プラリアの適正使用について(低カルシウム血症、顎骨壊死)』に、低カルシウム血症対策のフローチャートが掲載されてる。これに従うと、血清補正カルシウムが高値でない限り、デノタスまたは活性型ビタミンD製剤を併用する。つまり、プラリア投与前後の血清補正カルシウムが基準値内でも併用する。
治験時はカルシウム・ビタミンDがどのように投与されていたのだろうか? PMDAが公開してるプラリアの申請資料概要で、もうちょっと詳しく調べてみた。

プラリア治験時の低カルシウム血症対策
  • 「臨床的に意味のある低カルシウム血症」を以下のように定義
    1. 血清カルシウムが7.5mg/dL未満
    2. 血清補正カルシウムがCTCAE v4.0グレード2、3、4に低下
    3. 血清補正カルシウムがCTCAE v4.0グレードでベースラインから2段階以上変化
  • 血清アルブミン4.0g/dL未満では、血清補正カルシウム=血清カルシウム+0.8×(4-血清アルブミン)
  • 骨粗鬆症の国内第Ⅲ相試験では、血清クレアチニン≧2.0mg/dL、高カルシウム血症、低カルシウム血症(血清カルシウムの基準値は未確認)を除外。
  • 関節リウマチの国内第Ⅲ相試験では、クレアチニンクリアランス<30mL/min、血清カルシウムまた血清補正カルシウム<8.5mg/dLおよび>10.6mg/dLを除外。
  • 骨粗鬆症の国内第Ⅲ相試験では、全例に400IU以上の天然型ビタミンDおよび600mg以上のカルシウムを毎日投与。
  • 関節リウマチの国内第Ⅲ相試験では、400IU以上の天然型ビタミンDおよび600mg以上のカルシウムを毎日投与するが、活性型ビタミンDを使用している被験者には、カルシウムの必要性を判断して投与量を適宜調整。
  • 海外第Ⅰ相試験では、腎機能障害のある被験者に最大1000mgのカルシウムおよび800IUの天然型ビタミンDを毎日投与。
<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

血清補正カルシウムの計算式は、一般的に“血清補正カルシウム=血清カルシウム+4-血清アルブミン”で、プラリアの添付文書にもこちらが記載されてる。治験時の計算式は初見だな(なぜ添付文書では書き換えた!?)
それはさておき、治験ではベースラインの血清カルシウムまたは血清補正カルシウムが基準値内で、デノタスまたは活性型ビタミンDが全例に併用された。プラリア投与前後に低カルシウム血症をきたしたからといって、デノタスが投与開始されたわけではない。ここは重要なポイント!

第一三共『プラリアの適正使用について(低カルシウム血症、顎骨壊死)』より
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/pralia/safety/pdf/PRL7RM01.pdf
<strong><span class="has-inline-color has-indigo-color">おすぎ</span></strong>
おすぎ

食事から吸収された天然型ビタミンDは、肝臓と腎臓で代謝されて活性型ビタミンDに変換される。慢性腎臓病では、腎臓における天然型ビタミンDの活性化が低下してるので、活性型ビタミンDが投与される。
第Ⅰ相試験では、腎機能低下例に高用量のカルシウム・天然型ビタミンDが併用された。第Ⅲ相試験では活性型ビタミンDが併用され、必要に応じてカルシウムも追加された。そして、高度の腎機能低下例は組入れ時に除外された。

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